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創立75周年の創立記念日にあたって
―茨城大学の次なる75年、150年に向けて―

 本日531日は茨城大学の創立記念日です。

 茨城大学は、1949531日、新制国立大学として創立されました。さらに最も古いルーツ校である拡充師範学校の創設から数えると150年という節目でもあります。この長きにわたってこの地で教育?研究にまい進できたのも、創立から今に至るまで本学を支えてきてくださった、多くの関係者の皆様、卒業生の皆様、地域の皆様のおかげであり、厚く御礼申し上げます。

 1949年の当時、鈴木亰平初代学長が提出して第1回評議会で審議された「大学の目的と教育方針」という文章には、以下のような記述があります。

 注入他律の教育を排し、自由啓発主義に則り、全学、各教科目の指導教員、厚生補導関係の職員等は、常に提携して教室の内外に於ける学生の自発的自治活動を奨励し、常に学生の個性発見に留意し、学生自らの力によって天賦の能力を啓発するように導くことである。

 本学では今年、「スチューデントサクセス」という教育の中心的なコンセプトを全学生に示し、4月に「スチューデントサクセスセンター」を設置しました。その際、「〈サクセス〉とは、良い成績で卒業することだけではなく、〈自己実現(なりたい自分になる)〉の力を身に付けること」と説きましたが、それはまさに、「教室の内外に於ける学生の自発的自治活動を奨励し、常に学生の個性発見に留意し、学生自らの力によって天賦の能力を啓発するように導くこと」という大学創立時の宣言にも重なるものです。

 また、75周年という節目の今年、これまでの人文社会科学部?教育学部?理学部?工学部?農学部の5学部に加えて、学部相当の新たな教育組織〈地域未来共創学環〉を開設しました。ビジネス、データサイエンス、ソーシャルアントレプレナーシップを身に付け、企業?自治体での長期有給実習(コーオプ実習)で学びを実践するというこの学環で、野心をもった〈第1期生〉たちは、さっそく活発にコミュニケーションしあい、自発的なコミュニティもいくつも生まれているようです。こうした動きは、大学と地域社会の持続可能な未来へと前進させるエネルギーになると確信しています。

 研究面では、本学のリソースとミッションを最大限に生かした〈総合気候変動科学〉と〈総合原子科学〉という2つの柱を立て、推進しています。
 〈総合気候変動科学〉とは、気候変動対応の「適応策」「緩和策」の両軸の研究を相互作用させる新たな学問分野です。目標は、これからの持続可能な社会の形成への貢献であり、国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)やその後に想定される〈ポストSDGs〉を視野に入れながら、本学が地球環境のサステイナビリティを追究する世界的な研究拠点になることです。
 〈総合原子科学〉では、エネルギー技術や原子?物質?生命科学を融合的に推進する「原子科学」の先進的な研究と高度専門人材の育成を進めていきます。そのスタートとして、本年4月に原子科学研究教育センター(RECASResearch and Education Center for Atomic Sciencesを開設しました。このセンターでは、学内外の研究施設群との共同研究や社会?地域との連携、新たなプロジェクトの企画?立案を進める「社会/地域課題共考解決室」を設けています。RECASは、これからのエネルギー問題に関する社会のニーズの把握?分析や地域コミュニケーションのハブとしての役割を果たしていきます。

 本学は、〈イバダイ?ビジョン2030において、「自律的でレジリエントな地域が基盤となる持続可能な社会の実現」を目標に掲げ、①「世界の俯瞰的理解と多様な専門分野の知の追究」、②「多様な主体を結びつける結節点としての機能強化」、③「持続可能な環境づくりのための先進的行動の展開」という3つの方針を示しています。上述した取り組みは、この目標を力強く推し進めるものですが、本学としてはこれまでの歩みを改めて見つめ、他方でさらなる高みを目指しながら、次なる75年、150年の歴史をつくっていきます。

 引き続き、皆様方にはご支援、ご協力をお願い申し上げます。

2024531日
茨城大学 学長 太田寛行

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