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(株) DEVELOPTONIAに茨城大学発ベンチャー称号付与
―工?新納浩幸教授が最高AI責任者 海外のビジネス情報を収集?提供


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 茨城大学は、株式会社DEVELOPTONIA[デベロップトニア](代表:大場一雅CEO、茨城県日立市)に対し、茨城大学発ベンチャーの称号を付与しました。6月18日(火)、茨城大学日立キャンパス小平記念ホールにて称号授与式が行われました。

 株式会社DEVELOPTONIAは、海外の多様な地域でのビジネスに役立つような現地のニュースやビジネスチャンスに関する情報を、独自の生成AI技術によって収集?分析し、クライアントにレポートする「KiAI」というサービスを開発?運用しています。

 CEOの大場一雅氏は、茨城県による「茨城県北地域おこし協力隊【起業?複業型】(KENPOKU PROJECT E)」の事業をきっかけに日立市を拠点とする活動を始め、昨年(2023年)9月に同社を創業しました。その後、市内にある茨城大学工学部との親交も深め、新納浩幸教授(専門:自然言語処理?機械学習)との共同研究がスタート。新納教授は今年4月から同社で最高AI責任者(CAIO)も務めているほか、茨城大学の卒業生や学生も同社で技術者として活躍しています。
 研究?教育?地域活性化という各領域にまたがる連携を踏まえ、2024328日、同社に茨城大学発ベンチャーの称号を付与することを決定しました。茨城大学の教員や学生?卒業生が創業者とならない企業への称号付与は初めてで、コミュニティの共創を展望した、全国の大学の中でも珍しい新たなタイプの「茨城大学発ベンチャー」の誕生となります。

 6月18日に日立キャンパスの小平記念ホールで行われた茨城大学発ベンチャー称号授与式で、太田寛行学長は、同社の「ビジネスにとって国境のない世界をつくる」というビジョンや、実際のプロジェクトに携わりながら技術力を磨けるインターンシップの機会を積極的に提供していることに触れ、「本学が展開しようとしている『コーオプ教育』の趣旨と一致するもの。『地域未来共創』につながる多面的な取り組みとして、DEVELOPTONIAとの事業連携を位置付けたい」と述べました。

 続いて来賓として登壇した茨城県県北振興局の幡谷佐智子局長は、「革新的で優れた技術力により今後大きなビジネスへと発展することと、学生インターンシップの積極的な受け入れにより、県北地域における雇用創出や人材の定着などの課題にも大きく貢献していただけると期待している」とコメント。その上で、「今回の茨城大学発ベンチャーの称号付与は、地域おこし協力隊の起業活動が地域活動の発展に寄与する素晴らしい先行モデルになる」と述べました。

DSC_5126.JPG 茨城県県北振興局の幡谷局長の来賓あいさつ

 その後は、大場CEOと、CIAOを務める新納教授が、それぞれ事業や技術について説明しました。

 大場CEOは、これまで国内外の金融機関や海外機関でリサーチの仕事などに携わってきた経験を踏まえ、「エコノミスト界の大谷翔平になる」と意気込んで活動を始めたと明かしました。その過程で、海外の細かな地域情報を集める際のスピードや信頼性に課題を感じたことが、「KiAI」開発のきっかけになったと言います。そして、創業の拠点を検討するにあたり、「大学が近くにあり、交流しやすいといった点、県や市の支援が厚い点を踏まえ、日立を選んだ」と語りました。

DSC_5184.JPG 事業の説明を行う大場CEO

 また、新納教授は、「生成AIはまだ完全ではなく、重要な情報の選択や信頼性の担保にはまだ人の手が必要とされているが、今後はそれも生成AIがカバーできると考えている」と解説。KiAIについては、「顧客に『検索』以上の価値を提供できるかが重要」と指摘した上で、「DEVELOPMENTは、途上国?新興国のビジネス情報に特化している点と構成メンバーにアドバンテージがある」と述べました。

DSC_5213.JPG CAIO(最高AI責任者)を務める新納教授

 称号授与式には、同社で技術者として活躍している茨城大学の卒業生や学生も同席しました。そのひとり、工学部情報工学科の学生は、「大学の中でプログラミングを学んでいるだけでは、自分のスキルが充分なのかわからず、不安になることがある。実務に活かせる場があることで『なんとかなるな』という自信になった。こうした場が近くにあることで、大学生のスキルも高まるのではないか」と語りました。

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