学友会が「体育館の熱中症対策における要望書」を提出
熱中症の危険を減らすため夏場の体育館内の暑さを緩和しようと、茨城大学学友会は1月10日、太田寛行学長に「体育館の熱中症対策における要望書」と署名を提出しました。大学への要望として、エアコンや断熱材の設置などを挙げています。
学友会は、茨城大学公認の課外活動団体が主体となって活動する学生自治組織です。活動環境をより良くするため、各団体向けに定期的にアンケートを行っており、そこで「夏の体育館の気温が高く、熱中症のリスクがあり危険」との声が上がりました。学友会がさらに体育館で活動する団体や体育館で授業をしている教員らに聞き取り調査すると、熱中症対策のため満足に強度の高い練習メニューや思うような授業を行えていなかったり、数分おきに水分を補給しなければならず実質的な練習?授業の時間が減っていたりする実態が見えてきました。学友会として改善のためできることはないか模索した結果、署名を行い、要望書を提出することとなりました。署名は、2024年11月13日~12月22日にオンラインで行い、785筆(学生655筆、教職員130筆)が集まりました。
365体育官网_365体育备用-【官方授权牌照】体育館は1961年(第2体育館は1971年)竣工。断熱材がないため夏の暑さ?冬の寒さを防ぎにくい特徴があります。学友会代表の鈴木大和さん(教育学部3年)によると、夏場は体育館内の気温37℃、湿度55%を超える日がほとんどで、これは暑さ指数(WBGT)32℃相当、「運動は原則中止」の値となります。暑さ対策として気化式冷風機や業務用大型扇風機がありますが、いずれも活用しづらい状況だといいます。
これらの現状を踏まえ、学友会は、大学に対し①エアコンの設置②断熱材の設置③体育館の建て替え―を一体で検討するよう要望しました。資金面についても、資金調達の仕組みをつくって各課外活動団体OB?OGへの呼び掛けることや、茨城大学基金特定基金の活用、ネーミングライツ契約などを提案し、設備導入後の管理や、日立、阿見両キャンパスの体育館や他の体育施設の整備にも言及しました。
鈴木さんは「熱中症の危険と隣り合わせの環境で活動している。事故があってからでは遅い。ぜひ検討を」と求めました。バレーボールの杉浦貴志さん(教育学部4年)、バスケットボール部の伊藤優汰さん(教育学部2年)も窮状を訴えました。
要望を受け、太田学長は「現状は十分理解している」とした上で、他にも改修を要する施設がいくつかあることなどから、資金面で丁寧な検討が必要という見解を示しました。また、寄附募集のためのキャンペーン(ギビングキャンペーン)で在学生からの呼びかけが功を奏した経験などを念頭に、「サークル棟も含めた課外活動施設の見直しとしてOB?OGに呼びかけてみては」ともアドバイスしました。