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「第32回衛星設計コンテスト」最終審査会にて高評価を獲得!
―宇宙工学研究会が「自発光型QRコード式ランデブドッキング」アイデアで受賞

 宇宙の開発や研究に興味を持つ高校生から大学院生が参加し、衛星の設計やアイデアを競う「衛星設計コンテスト」。2024年に開催されたこのコンテストで、茨城大学宇宙工学研究会が「アイデアの部」で「電子情報通信学会賞」を受賞しました。高い評価を受けたアイデアの詳細や受賞の喜びを、茨大広報学生プロジェクトの土屋結女乃さん(地域未来共創学環1年)、永島彰人さん(人文社会科学部4年)が取材しました。

宇宙工学研究会の受賞者3名

 2024年11月23日(土)、「第32回衛星設計コンテスト」の最終審査会が行われました。このコンテストは、宇宙に関する基礎?応用研究を促進し、日本の宇宙開発の裾野を広げることを目的としています。高校生から大学院生までの参加者が、衛星の設計やアイデアを提出し、審査を受けます。コンテストの最終審査において、本学の宇宙工学研究会の川口 守李さん(工学部3年)、山田 拓実さん(工学部3年)、高津 未彩さん(工学部2年)が「自発光型QRコード式ランデブドッキング」について、「電子情報通信学会賞」を受賞しました。

プレゼンテーションの概要

 最終審査でプレゼンターとして登壇した川口さんと山田さんは、衛星同士が宇宙空間でスムーズにドッキングできる新技術を提案しました。自発光型QRコードを利用したランデブドッキングシステムは、従来の技術と異なり、QRコードを活用することで他の衛星との干渉を避けながら正確な位置情報を提供でき、より安価な材料費で衛星間の接続を高精度かつ効率的に行えるとしています。

受賞の喜び

 受賞後、川口さんは次のように話しました。「私たちの目標は『いつか人工衛星を飛ばしたい』というものです。この衛星コンテストは、その目標を実現するための一歩であり、重要なステップのひとつです。大きな目標に向かって進む中で、今回の賞をいただけたことは本当にうれしく思います。」

取材中の様子

宇宙工学研究会の歩み

 宇宙工学研究会は、川口さんを中心に2022年に茨城大学の公認サークルとして発足しました。
 宇宙工学研究会の立ち上げのきっかけについて、川口さんは「入学当初は宇宙関連の団体がなかったため、宇宙に興味がある自分にとって、宇宙を学べるコミュニティが必要だと感じたことがきっかけです」と語ります。「宇宙に関わる方法として、自分たちが宇宙に行くことに一番近いことは、私たちの作った物を宇宙に送り出すことだと考え、小型衛星を作ることを目指して団体を立ち上げました。」と話しました。

QRコードを使ったランデブドッキングアイデアについて

 川口さんは「アイデアを考える際、最も重要視したのは、『茨大は過去にコンテストに通ったことがなかった』ことです。そのため、どうしたら審査員の方の目に留まるかを考え、ランデブドッキングというロマンティックな技術に挑戦しようと思いました」と話します。
 QRコード技術を取り入れるアイデアのきっかけについて川口さんは「東京都交通局(都営地下鉄)などがQRコードを使って鉄道駅のホームドア制御を行っているのを知り、それが面白いと感じました」と言います。交通分野から宇宙開発への発想の転換を行い、宇宙空間で電波通信ではなく、可視光線で位置を制御する方法としてQRコードに着目したとのことです。
 山田さんは「宇宙での電波通信は、各国の電波が競合してしまうため非常に難しいです。その点、可視光線を使うというのが今回のアイデアの一番の特徴です。」と話しました。

今後の展望

 受賞した3人は、この技術をさらに発展させ、研究を続ける意向を示しました。

取材後記

 今回の取材を通じて、学生たちがいかに情熱を持ち続け、夢や目標に向かって努力しているのかを実感しました。特に技術的な挑戦を克服するための柔軟な思考と強い意志が印象的でした。取材させていただいた皆さんの宇宙への情熱と行動力に触れることで、私自身も自分の大学生活をどう過ごすべきか、改めて考えさせられる貴重な機会となりました。今後の学びや活動においても、柔軟な考え方や積極的な挑戦する姿勢を持ち、目標に向かって努力していきたいと思いました。

(取材?執筆:土屋 結女乃、取材協力:永島彰人)