「学生SDGsフォーラム」開催!
―学生?高校生がSDGsに関する研究成果を発表し交流
国連の持続可能な開発目標であるSDGsに関連した研究や活動の成果を学生たちが発表し、交流する「第16回学生SDGsフォーラム」が3月4日、茨城大学人文社会科学部講義棟などで開催されました。今回は地域の高校生が発表者として初めて参加しました。
当日の様子を、茨大広報学生プロジェクトの飯村旺我さん(農学部2年)が取材しました。
学生SDGsフォーラムは、SDGsにおける持続可能性(サステイナビリティ)の諸課題の解決に向けた取組みの一環として毎年開催されています。16回目の開催となる今年度は、高校生が11組、学部生?大学院生が31組の計42組が参加し、分野の枠を超えて交流が行われました。
開会に先立ち、挨拶をする戸嶋浩明地球?地域環境共創機構(GLEC)長
茨城大学では、SDGsが国連にて策定された2015年の10年ほど前から地球変動適応科学研究機関(ICAS)を中心に、研究分野を横断して持続可能な自然?社会のあり方を研究する「サステイナビリティ学」を推進してきました。2020年にICASが地球?地域環境共創機構(GLEC)に改編された後も現在まで「サステイナビリティ」を構成する様々な分野で研究が行われています。
1分間プレゼンテーションを行う高校生の研究発表者
研究発表者はポスター発表の前に1分間のプレゼンテーションを行いました。それぞれがポスター発表の内容を1分間に凝縮して紹介し、自分のポスター発表に参加者を集めるべく積極的に呼び込みを行っていました。
続くポスター発表は図書館1階のDigital Serve Studioにて行われました。発表者は2グループに分かれ、それぞれ40分の時間の中で発表を行い、参加者同士の研究交流が行われました。
意見や質問が飛び交うポスター発表会場の様子
高校生は主体的に取り組んでいる探究活動について発表しました。ボランティア、福祉、自然や身近な地域課題など様々な分野を扱っていました。GLEC教員や大学生を前に緊張しつつも、堂々と話していました。
英語でのポスター発表に挑戦する高校生の姿も
大学生は主に4年生や大学院生が、気候変動や自然災害を始めとする多種多様な分野で専門的な研究発表を行いました。留学生の姿もありました。
教員に向けてポスター発表をする学生
筆者が特に気になった発表は東日本大震災からの復興に関する内容です。東日本大震災から14年が経過した今、被災地のまちづくりや関係人口の現状について改めて知ることが出来ました。
福島県楢葉町での活動について発表を行う学生
ポスター発表と並行して、人文社会科学部講義棟の講義室では入試広報学生スタッフによるトークセッションも行われました。
グループに分かれて高校生から大学生に質問が出来る個別質問の時間も設けられ、入試や受験勉強だけではなく、サークル活動やアルバイトなどの大学生活に関する質問もありました。
個別質問の様子
ポスター発表後は人文社会科学部講義棟に参加者が集まり、SDGs座談会が開催されました。はじめに、太田寛行学長から茨城大学とSDGsのかかわりについての紹介がありました。
SDGsについて語る太田寛行学長
座談会では太田学長、ダイバーシティ?国際?SDGs担当の菊池あしな理事、GLEC副機構長の蓮井誠一郎教授がSDGsについての考えなどを述べました。
座談会の様子
参加した高校生から「幸せとは何か?」との質問も。30分以上にわたって開催された座談会は積極的に意見や感想を交わし合える空間となりました。
最後に、参加者の投票結果を参考にGLECで賞を選考し、最優秀賞、優秀賞等が授与され、第16回フォーラムは盛況のなか終了となりました。
茨城大学においてSDGs、サステイナビリティは研究のキーワードとなっています。今回開催された学生SDGsフォーラムを通して、分野を超えた今後の活動の発展に期待が寄せられます。
最優秀賞を受賞した上手涼雅さん
受賞者一覧
最優秀賞 | |
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上手 涼雅さん |
自殺を法的に罰することは可能か―自殺罪から自殺予防への法哲学的考察の試み― |
優秀賞(大学生の部) | |
久松 俊介さん |
ニホングリ堅果の収穫後の取り扱いが可食部のフェノール化合物組成に及ぼす影響 |
優秀賞(高校生の部) | |
上田 千代さん?紀井 晴道さん |
Cooperative Education for Everyone ~Living with Foreigners~ |
SDGs賞(大学生の部) | |
河野 莉緒さん |
教員養成課程における地域課題をテーマとした問題解決型調理実習の教育効果 |
SDGs賞(高校生の部) | |
近藤 双葉さん |
生徒、先生間のコミュニケーション |
茨城大学地球?地域環境共創機構長賞 | |
岩間 柊斗さん |
海面上昇における浸水被害と47都道府県内総生産への影響 |
受賞者の皆さん
編集後記
高校生が積極的に大学生?大学院生?教員に質問をする姿が印象的でした。学生SDGsフォーラムを通して、茨城大学が推進するSDGs、サステイナビリティについて改めて考える良いきっかけとなりました。